今回ゲッチュ!取材班は、西宮市甑岩(こしきいわ)町にある安産・子宝・商売繁昌の神社で有名な「越木岩神社」をレポートしました。越木岩神社の境内の中には、兵庫県の天然記念物に指定されていて自生のヤブツバキが生い茂る「越木岩神社社叢林」という神秘的な森があり、その中に御神体の創立不詳といわれる由緒深い「甑岩」があります。

 千数百年前の延喜式神名帳と言う全国の主要な神社が記載される書物に、大国主西神社と記録されているのが越木岩神社の事の様です。正保年間(1644年頃)に社殿が再建され、明暦二年(1656年)八月十六日に円満寺の教順僧侶が「福神」の総本社西宮神社より蛭子大神を勧請し、蛭子太神宮と称しました。
正面の鳥居は震災で倒半壊し、翌年復興。旧鳥居は復旧復興の碑として保存 鳥居をくぐり、石段を上がると天然記念物の森の中に御本殿が鎮座します。 取材にご協力していただいた越木岩神社の権禰宜(ごんねぎ)の藤井さん。
 御本殿の背後の、社叢林の森の中を抜けると、突如と巨大に出現した御神体の「甑岩」は、縄文時代、または、原始時代にもさかのぼる頃に現れた花崗岩の大怪岩で、周囲約30m・高さ10mの岩と岩が二つ寄り添う、神体の形状から女性自身に例えられています・・・。甑(こしき)の意味は、お米を蒸す時に使うセイロという道具を甑とも言い、それに似ていることから「甑岩」と名づけられた様です。岩は、権禰宜(ごんねぎ)の藤井さんには人の顔に見えるそうです^^


御神体の「甑岩」
女性自身?、人の顔?リポーターの私は、この岩から何か図り知れないパワーが出ている様に感じました。岩の周りを一周できます。

本殿の背後の森の中の階段を上がると岩社が見えます。

「権禰宜の藤井さんと甑岩」
本当に大きいですね。

甑岩を横から見ると岩の裂け目から木の枝が生えていました。

甑岩の裏手に見える神秘的な森の木々は、タコの足のように伸びている。
甑岩周辺の大坂(阪)城築城の残石と刻印
 今から400年程前、大阪城の石垣を築く工事のために甑岩を切り出そうと豊臣秀吉が石工達に命じて割らせていたところ、岩の裂け目から鶏鳴(きょうめい)がして白い煙が吹き、その熱気は、不思議な力をもっていて石切職人達は手足をふるわせ、苦しみもだえ、斜面を転がり落ちました。やがて息絶えてしまったと言い伝えがあります。今でも甑岩や周辺の残石にはその当時のノミの跡が一列にのこっていました・・・。バチ当たりですね^^; 甑岩に彫られてる印は、岩を運び出す担当藩主の使用刻印(家紋)が数箇所彫られており、今でも鮮明に見ることができます。これらの家紋は大阪城の石垣にも多数残っているそうです。
二人の俳人の句
 約千百年前(延喜年間)には、「甑岩」より煙がたちのぼり、茅沼裏(大阪湾)からや、西宮神社近くまで海岸があった頃の戸田庄(西宮市戸田町)近くの入江あたりの船からも岩が見えたそうで、室町時代の俳諧の祖・山崎宗鑑(1464年〜1553年)が「照日かな蒸ほど暑き甑岩」と句を残しております。
 また、すぐ脇のご神水を、はせを(松尾芭蕉)は「さざれ蟹足這い上る清水かな」と詠ったそうです。

暑さのせい?木が石に腰掛けているみ
たいですね。

岩社境内の西側の不動明王社。他に、
稲荷社や貴船社など数社の末社がある。

甑岩を見た俳人、山崎宗鑑の句が残さ
れている石碑は本殿近くにありました。
   本殿内に飾られる重要有形民族文化財の「おかげ踊り図絵馬二面」
絵馬その壱
よく見ると、左上に甑岩が描かれているのが分かります。
絵馬その弐
天保2年に描かれた絵はおかげ踊りの様子が伝わります。

西宮薪能
 越木岩神社境内にある、能舞台で秋祭り初日の9月21日に「西宮薪能」が、行われます。昭和58年から開催されて、今年で21回目になるこの薪能は、夕暮れ時の秋のひとときに、目の前で繰り広げられる幽玄の世界は人々を魅了してやみません。また平成17年度よりこの薪能の演者(企画・運営も)の上田拓司氏のご提案で「こども薪能」が開催されることになりました。伝統が後世へ受け継がれていく・・・すばらしいことですね。

「泣きずもう」大会
 毎年恒例のすもう大会(幼稚園児〜大人の部)に、平成15年から赤ちゃんの泣きずもう大会を復活し、今年はナント約600人の赤ちゃんが参加しました。中には土俵に立っても泣かない赤ちゃんもいるそうで、泣くことによって邪気を追い払うと言う意味があり、泣かない時はちょっと揺すっておどかせて泣かせる(?!)そうです。。。泣きずもうに関しては、毎年参加者が多いため開催日が多少前後するようです。神社には、赤ちゃんが相撲をとっている姿を描いた江戸時代の絵馬があり、その時代には泣きずもうが行われていたことが分かります。

だんじり巡行
 今年は、だんじりを新調した生瀬地域から初参加した一台、越木岩神社の二台と、西宮神社の氏子会「若戎会」の計四台で阪急苦楽園口駅前を、「ヨーイヤサー」の掛け声とともに前輪を上げて旋回。約百メートルの区間を全速力で走って急停止する場面があったりで迫力満点でした。近くで見物していた観客は、ヒヤヒヤしたでしょうね^^
境内にある能舞台拝殿での幽玄の世界は素晴らしいです。 可愛い赤ちゃんの泣きずもうは、力士さんも大変!
 11月は七五三の期間と言うことで、取材に行った時は丁度七五三の受付中でした。越木岩神社では、ご祈祷されたお子さまに、千歳飴と神社特製金ピカメダルが授与されます。神社にしかないので、激レアかも?!他に子宝・安産でご利益のある甑岩を女性像に似せた絵が描かれている絵馬、太陽光で紫色に変わる御守り、天然石を使用した甑岩御守りなど、珍しいお守りもあります。

 社務所内には大西浩仁氏(吉本興業の漫才師ちゃらんぽらん・雅号太陽)の油絵が多数奉納されていました。大西氏のお声掛けで震災からの復興という希望と参拝者の心の癒しに少しでもなればと、七年前から「森の中の絵画展」も行われています。
七五三でかけてもらえる金メダル 甑岩が描かれた絵馬と御守り 社務所内に大西浩仁氏の絵が展示

 「椿まつり」は、3月下旬の3日間に渡って境内にて開催されます。鎮花(ちんか)祭は、初日は椿セミナーから始まり、2日目は様々な奉納演芸、3日目は奉納カラオケ大会が開催されます。

 越木岩神社の椿は「ヤブツバキ」と言われる大変珍しい天然の椿が自生しています。大体、4月の中旬まで楽しめるようです。「寄せ植えにしたものと違って見づらいかも知れませんが、境内にあるのは野生のものなので、椿を探しながら、境内を散歩してもいいですね。」と藤井さん。椿まつり期間中に拝殿内に展示される約二百種類にも及ぶ珍しい椿の花は、観るものを魅了すること間違いないでしょう。

かわいい♪お客さんも参拝。。。

 取材中、甑岩付近で「ガサゴソ」と物音が!!よくよく見るとウリ坊が!藤井さん曰く「最近、いのししが出て荒らされて困ってるんですよ」との事でした・・。

 よくお母さんを先頭に、5匹位のウリ坊が行動しているそうです。この日はお母さんは一緒ではなかったのですが、聞くところによると、大人の猪が突っ込んで来ると、原付自転車が60キロで突っ込んで来るのと同じそうです・・・。

 お母さんが居なくて、ある意味ホッとしちゃいました^^
取材中に見たウリ坊は、最近境内付近
をウロウロしているそうです。
残念ながら顔は写っていなかったです。
今回の取材にご協力頂いた権禰宜・藤井 健さんと、お決まりの記念撮影。
ご協力ありがとうございました!




主な年中祭礼

◆ 1月 1日         新年祭
◆ 1月 9〜11日      十日戎
◆ 2月 3日         節分祭
◆ 2月11日      建国記念祭
◆ 3月 4日            春祭
◆ 3月下旬     椿祭(鎮花祭)
               椿セミナー
               奉納演芸
          奉納カラオケ大会
◆6月30日         夏越大祓
◆7月16日            夏祭
◆8月下旬   甑不動明王献灯祭

◆ 9月21〜23日        秋祭
    21日       例大祭宵宮
               西宮薪能
    22日          例大祭
             だんじり巡行
    23日        すもう大会
               福もちまき
             だんじり巡行
◆11月中           七五三
◆11月30日          新嘗祭
◆12月31日         大祓式

インフォメーション

●住所:西宮市甑岩町5番4号
●TEL:0798-71-8375 FAX:0798-72-9006

●交通: 
 【電車での場合】
 ・阪急苦楽園口駅より越木岩筋を北へ徒歩10分
 ・阪急夙川駅より阪急バス夙川短大前下車すぐ
 【車での場合】
 ・国道171号線・山手幹線交差点を夙川方面へ、越木岩筋を北上し、
  突き当たり正面鳥居の左側先の境内に参拝者専用駐車場あり。

●ホームページ:http://www.koshikiiwa-jinja.jp/
※おかげ踊り図絵馬・西宮薪能・泣きずもう・境内椿の写真は越木岩神社様からのご提供写真です。

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